はてなが1000万ユーザーを集められない6つの理由
4ヶ月も前の記事が今頃ホッテントリに掲載されてコメントがたくさん掲載されているけど、その後のインタビューで目標数値が変わったりしているから、いくつかの指摘は無駄になっていることを忘れないでね!
認識を改めなきゃならない場所1:
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITzx000028072008
id:jkondoは当初「登録ユーザー1000万人」と言っていた目標を、「2000万のアクセス」に変更しています。思いつきの意気込みから、現実的な目標数値への変更と見ることができるでしょう。
認識を改めなきゃならない場所2:
http://d.hatena.ne.jp/jkondo/20080523/1211497906
はてなクラブを作ったり、街頭の一般人へのヒアリングを始められたそうです。蛸壺から長い足がでてきたようですよ。
───以下オリジナル記事───────────────
「うさんくさい - jkondoのはてなブログ」以来、id:jkondo氏の言動にひっかかるものを感じていたが、今日のインタビューを呼んではっきりしたのでまとめてみる。
1000万ユーザー規模のサービスを京都から--はてな近藤氏が目指すもの - CNET Japan
1)1億人の方向を向いていない
「うさんくさい」のエントリで明らかになったように、いまさら「はてなはうさんくさい」と言及されて驚くほどネットに積極的な人としか対話してこなかったid:jkondo氏。「たこつぼ」のエントリで人と接することの重要性に言及しつつ、以後も刺激はGeekとの対話に集中している様子。
「それ面白いね」「自分もそれいいと思うよ」というポジティブなフィードバックは必要です。ただしそれは「遅れてくる1000万人」たちから返ってくることが必要で、同類のgeekたちからのフィードバックを信じて突き進むなら蛸壺に一直線です。
・そもそも蛸壺の中で蛸壺のことしか考えていない
2)「サービスを使うメリット」が具体的に思い描けない
1000万人に使われるサービスというのは常に「どんなことができるサービスか」「そのサービスによってどんなメリットがあるか」が明確であるものです。
たとえばmixiなら「知り合い同士で密にコミュニケーションが取れる」、gmailなら「Webで容量を気にせずがっつりメールができる。」といった感じで。
アーリー・マジョリティを一気に攻略するためにはこの「わかりやすさ」が必須。appleが近年追求するように「そのサービスでできること」の幅をあえて狭めてでも「わかりやすさ・イメージのしやすさ」を明確にしなければなりません。
はてなが提供するのは、突き進んでしまうのは「ユーザーが切り開くべきコミュニティの空間提供」。これはマジョリティにとって理解しにくい概念です。
・「コミュニケーション」は明確な理由にはならない
3)進化発展しないサービス
思いついたアイディアを1〜2人で一気呵成に組み立て、β状態でリリースするというのがWeb2.0の流行で、これは悪いことではありません。ただ、「1000万人に使われるサービス」として求められるのは、そこからの止まらない進化と方向性の修正。mixiが「リアル知り合いとの連絡」から「広い意味で知り合いとコミュニケーションが取れる」サービスに移行していったように、ユーザーの要望に応じて本質すら柔軟に変えていく必要があります。
はてなダイアリーに劇的な変化があったのでしょうか?はてなハイクは変わっていくのでしょうか?
・サービスの面白さを変える進化がない
4)使いづらさ
はてなは使いにくい。とにかく使いにくい。はてな内の複数のサービスを使っているのに、複数のブックマークからそれぞれを呼び出さなきゃならないほど使いにくい。複雑な仕組みではないし、はてなの1アカウントでほとんどのサービスが使えるのに自分の利用状況を把握することすら難しい。
はてなダイアリーの「はてな記法」など、「作ること、発信すること」のために努力をいとわない人なら使いこなせましょうが、「流行に乗ってみたい、でも努力や苦労してまで使いたくない1000万人」が使うわけがありません。
・すっげぇ使いにくい
5)デザインの軽視、あるいは無視
世の中のあらゆる商品、あらゆるサービスにおけるデザインの重要性は語るまでもありません。性能や機能よりもデザインの良し悪しが重要視されることが当然のように起こってしまうほど重要な要素でありながら、はてなのデザインは審美性、機能性ともにまったく無頓着です。「外っ面の良さにこだわったって内面を磨かなきゃ意味がないぜ!」と叫びたいのか、外見を気にすることすらないのかはわかりませんが、いずれにしても非モテのメンタリティとしか判断できません(場所からしてそんな状態なので1年中非モテ・非コミュ議論が交わされるのは当然と言えます)。
・非モテなサービス
6)マーケティングの軽視、あるいは無視
どんなに優れた商品を作り出しても、どんなに面白いサービスを発表しても、それを多くの人に伝える努力をしなければ1000万人には届きません。さらに、自らが作り出すもの・作り出したものが「誰にとって使えるものなのか?」を見極めることができなければ、誰に伝えるべきかを判断することもできません。
はてなのサービス開始から7年たって、初めて「自分のサービスはうさんくさい」と気付くようでは、何も見えていないも同じこと。
サービスを作るためにも、それを広めるためにも「立ち位置の把握」は大前提となるはずです。
・なんで人が集まっているかもわかってない
総論:がんばって耳をふさいで「変」な方に向こうとするんじゃなく、真っ当な視点を持ってから「変」なことしようよ。