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恋人を作る方法を教える前に考えたいこと

恋人をつくるために大切なたった1つのこと - iGirl
id:asami81さんのエントリを見るとどうしても上から目線が感じられてならない。

「彼女が欲しいが、作れない人が足りないこと」は「ちょっといいな」の壁を高くしてることじゃないかと想像。これぐらいのドキドキを好きって呼んでいいのか?

間違っちゃいない。むしろ正しいんだ。でももう数歩、誰に向けてのメッセージなのか踏み込んで考えるべきなんだ。アドバイスをするなら、相手の姿を考えなきゃだめなんだ。

壁は高い、どうしたって

ちょいと点数で例えてみようか。恋愛、もしくはセックス相手としての肉体的・精神的魅力を100点満点としてみよう。50点というラインは平均的な人間が「ちょっといいな」と感じられる下限とする(平均点が50点ということはない。50点以上の人が多数派だ)。

50点以上の人ならasami81さんの意見はすごく納得できるんだ。70点の壁が高かったなら、65点、60点、55点の異性にターゲットを変えればよい。実に簡単な話だ。

でも非モテってのは自己採点50点以下なんだよ。そして惚れる人たちや「ちょっといいな」と思える人ってのは50点以上なんだ。(50点以下の異性は「ちょっといいな」以下だから)
わかるかい?非モテにとって「ちょっといいな」はいつだって高望みなんだ。そもそもの出発点でいけそうな人なんて選択肢がないんだ。理想を落としようがない。

じゃあ「相応に」魅力的でない人と「付き合う」ために多大な労力を費やせるか?むりだ。50点以下の魅力の少ない異性にどれだけの情熱をかけられる?後々のレベルアップのためだけに魅力の少ない異性に特攻する?それなら別の機会を待った方がいい。80点の人に冷たくあしらわれるならともかく、50点以下の相手に冷たくされるのはダメージが大きすぎる。
当然相手だって恋愛対象に50点以上を求める。お互いが50点以上を求める以上、両者が50点以下での成立は望みにくい。

外に出なきゃ、経験値を貯めなきゃ非モテから脱出できないなんてわかってる。わかりきってる。でも最初の一歩を踏み出すためのカードを持っていないんだ。「要は勇気がないんでしょ?」と言われようと。勇気を出すための材料がない。

ドラクエIIIでいきなりジパングからゲームが始まるようなもんだ。レベルアップしなきゃ敵と戦えない。でもレベルアップするためには敵を倒さなきゃなんない。会心の一撃が出れば運良く勝てるかもしれない。ジパングのモンスターだ、1匹でも倒せたらレベルアップのファンファーレが何度も鳴り響き、次の戦いはもうちょっと有利に進められるかもしれない。でもレベル1で勝てるはずはない、JK。
それでも非モテに「でも街を出ないと経験値たまらないでしょ」と言えるのか?「死んだら経験値貯まらないけどそれでも行ってこい」と言えるのか?

非モテと恋愛

で、だ。それでも恋人がほしいと望むなら、付き合えたとしたら、付き合うことを考えたら、深く強い恋愛感情をもって挑まなきゃならんでしょう、非モテとしては。提示できる武器がないのであれば、情熱を武器に変えるしかないのだから。それにただでさえ選びようがない異性、付き合うことができるなら絶対に手放したくない。次を考えたりする余裕なんてないんだから。
動く気になるということの重みがモテと非モテでは大きく違う。
こういうところに、非モテが「付き合う」と「恋愛する」を区分しない理由があると思ってる。

「彼女がほしい」と「恋愛をしたい」の違いはわかっているんだ、多くの男性は。
そして恋愛感情の有無を問わず「彼女がほしい」「とにかく穴があったら入れたい」と思うことは多くの男子にとって偽れぬところだろう。ただ、単純に「付き合う」という選択肢を選べるほどの余裕がないだけだ。

(むしろ本人にとって違いがわかりづらいのは「恋愛をしたい」の中に含まれる「好きで好きで仕方ない」と「恋に恋していて相手の存在は実は関係ない」の部分だ。往々にして面倒くさい部分だ。余談)

とりあえず〆

「捕獲できない獲物は追わない」「いけそうな人にいく」「反応を見分ける嗅覚が重要」「とりあえず付き合うでもいいじゃん」「敷居を下げていこう」というのはすべて間違いなく事実だ。文句のつけようがない。
ただそれは一定の経験値と高いレベルを持っている人にだけ通用する言葉だ。

非モテにないのは「獲得できる獲物」の存在自体、「嗅覚」を育てる最初の一歩、「とりあえず付き合う」ための近づき方だ。

「レベル1でジパングにいる?だったらくさなぎのけんを使えばレベル1でも攻撃力高いんじゃない?」
と言っても意味がない。レベル1でどうくさなぎのけんを取りゃいいのさ。

非モテへのアドバイスをする目的であったのなら、非モテが見えていなかった。
見えていないと、せっかくのアドバイスは不本意にもモテ自慢と取られてしまう。
どうせアドバイスするなら、「ジパングからアリアハンに移動する方法」を考えましょうよ、と。