入場料を取るけど本読みにちょっとうれしい本屋さんの小案
DARTSLIVE ダーツライブ
ダーツ マシン VSPHOENIX S オフィシャルサイト DARTS JAPAN
最近ダーツにはまっているのだが、エレクトリックダーツも最近はネットワーク化されていて大変面白い。現在「DartsLive」「PHOENIX」という2機種がカード対応しており、例えばPHOENIXだと下記のような特徴がある。
- 専用のカードを購入することで以下のようなゲームの記録が残せる
- ゲームの総合的な成績から判断される巧さ「レーティング」の表示
- 過去のゲーム平均、各種アベレージの表示
- 過去のゲーム成績を振り返り、成績を見ることができる
- 対戦の勝率を表示できる
- 達成したアワードの回数が表示できる
- 最近のプレイデータを表示できる
- カードを使ってプレイすることで以下のような変化が出せる
- プレイヤー表示を公式サイトで設定したオリジナルアイコンで表示できる
- 各アワードが出た時の表示をカスタマイズできる
- プレイヤー名にレーティングが表示される
- カードへの登録情報から、ホームショップを設定でき、ホームショップのプレイヤーランキングや、現在プレイ中のユーザーなどの情報を表示できる
- 上記のようなデータをいつでもPC・携帯から見ることができ、1プレイが完了するたびに情報が更新される
- 具体的な使い方は実装されていないものの「ゴールド」が存在し、現在は対戦時にベットしゴールドを取り合うことができる。
- プレイ数やレーティングから同程度のレベルの相手とオンライン対戦をすることができる
ダーツというのはそれだけでも十分にエキサイティングなスポーツだけど、カードを使うことで、楽しみがさらに増えるのが面白い。
大抵数時間もプレイしていると、集中力が切れて中だるみしがちだが、カードを使い始めると一瞬も気が抜けなくなる。集中力が重要なスポーツだけに、1ゲームでも適当なプレイをすると即レーティングが下がるという緊張感はありがたいわけで。
というわけで、このような機種を見かけてこの1ヶ月すっかりダーツにはまっているのだけど。
述べたいのはそれだけではなく。
こういう、「仕掛けを1つ作ることでいろんな視点でメリットが増える」アイディアは、先週大いに流行った「本屋de入場料」でも考えるべきだよ、という話。
このアイディアはそもそも現状分析がされていないという致命的な問題点があるのだけれど、それをおいてもアイディアの部分が店側の都合でしかないというのがよろしくないと感じる。
また、入場用の自動改札を設けるというのは、書店経営の上であまりに厳しい投資である割に、このシステムが(chikuraさんの思い通りに)好調に機能したとしても投資回収の目処は立てにくい。
書籍が1冊売れても店舗の利益は数円、対して自動改札は1台数百万だ。入場システムだけで完結させるのはあまりにももったいない。
ってことで、この磁気カードに付加価値、というか別サービスを備えさせ、別のメリットを提供するという部分で、冒頭の「ダーツとネット対応カードシステム」を参考にちょっと対案を挙げたい(ただ、根本となる新規客減少と採算性の問題は全く解決できていないので気をつけられたし)。
前提
- この自動改札とカード方式を1つの書店だけで実施するのは圧倒的に無理なので、組合なり、大規模チェーン店などが組織的に行うことが前提になる。
- カードは入場料情報だけでなく、ID情報も取るものとする。カードを持たせるならID割り振っていろいろできる方が絶対楽しい。
- これらのIDで、購入書籍情報や来店回数・特に多く来店するホームショップ情報を取得する。
利用客同士の情報交換
例えば、このカードで購入した本の中で良かった本を利用客がオススメしあうことができる。カード利用客はPC・または携帯からこのオススメを見ることができる。
このオススメの閲覧はカードの購入履歴から、ジャンルが近いものを優先的に表示できると良い。また、可能な限り自分の良くいく書店での情報が優先される方が良い。購入履歴の他者への公開はプライバシーに関わるので、自ら購入書籍毎に公開させる方が望ましい。
わずかながらではあるが、書籍のPRができる。できなくてもホームショップで他に積極的な本読みがいるというのを認識できる。
続きものの購入チェック
コミックなどを「何巻まで買っていたっけ?」と悩むのは個人的にはよくあることで、これらの情報をサイトから登録しておけるとgood。さらにサイトから購入しているシリーズの最新刊が出るよとアラートを出してくれるとbetter。で、さらにサイトからこの最新刊の取り置きを予約できるとBest。
過去に購入した作家の新作情報が見れるようにするのも良いね。
購入冊数を登録してランキングに参戦できる
カードを使って購入した書籍点数を公開でき、全国で特に多く本を買っている人ランキングに参戦できる。それだけなんだけど、とりあえず「俺は本読みだぜ!」と全国規模で自慢できる。
んー、ライトユーザーを引っ張る策が思いつかない。
ただ、本読みがこのカードを持つわずかなきっかけと、緩やかに彼らを囲い込む仕掛けにはなるのではないだろうか?本当にわずかではあるけれども。
顧客がIDを持つという状況は、管理上利便性が向上するだけでなく結構いろいろ応用がきく。どなたかが発案されていたが、購入した書籍を店舗に預けられるサービスなどはIDがあれば円滑に開始できるものの1つだろう。
「本以外の商品を売った方が儲かる」書店ビジネスで、書籍の復権を狙うのはなかなか難しいが、カードとネットサービスを組み合わせるといろいろ面白いというところはぜひ掘り下げたいテーマだ。