「コミケにお客様はいません」
私が「コミケにお客様はいません」をあまり使わない理由-今日の言わせれ
「コミケにお客様はいらない」理由 - FANTA-G
「コミケにお客様はいません」
この言葉が、巨大化を続けながらも現在もギリギリいっぱい存続しているコミックマーケットにおいて理念として残っていることは感動すら覚えるわけです。
最大規模のイベントがほぼボランティアによって成り立っていること、超巨大コンベンションセンター全土が満員電車の如く人で埋め尽くされる中で、その多くの参加者がルールとマナーを理解し、これを守り、さらに積極的に啓蒙している姿は異様ですらあります。
これはコミケという40年近く続く文化が守り抜いた偉大な歴史です。
しかし、巨大化し存続してはいるものの、そろそろこの言葉が限界に達している──あるいは既に限界を突破したまま長い年月が経ってしまっているのではないかと思い続けています。
企業ブースを目的として来場する参加者や、普段とらのあなやメロンブックスなどで委託同人を購入している参加者たちは日々増加しており、「コミケカタログに目を通してから家に帰るまでがコミケ」といった旧来の正しい在り方の参加者だけでは済まなくなっています。懐かしい時代のような「ベテランが新人にコミケのサバイバル術を指南する」という振る舞いが行えない領域にまで、コミケの影響力は届いています。
そしてコミケの興味深く長く重く積み重ねられた数々の情報は、彼ら「枠の外側の人たち」にとってはあまりに難解に過ぎます。
コミケを分かっている人たちは当たり前のこととしてこの言葉を認識しています。この言葉がなければコミケは存在できないということも。しかしこの言葉を守ることによって対処できなくなるいくつかの問題によってコミケがなくなってしまうことを心配せずにはいられないのです。